１．海外販売店契約書・代理店契約書とは
海外企業が生産した商品を売る場合、距離的、時間的、費用的な問題から、直接出荷先で商品を売るのではなく、その国の企業と販売店契約や代理店契約を結んで商品を販売するケースはとても多いです。
まず、販売店契約は、販売店側が、メーカー（サプライヤー）から製品を仕入れ、在庫を抱えてビジネスをおこなう契約です。ですから、当然、販売店が在庫を抱えるリスクを取った上でビジネスを行います。一方で、販売店はリスクが大きい分、仕入れと販売価格の差額をそのまま利益とすることができます。
こ れに対して、代理店契約は、代理店が、メーカー（サプライヤー）の代理として、物品を販売する契約です。営業の代行や業務委託のようなものと言い換えられるかもしれません。
そのため、販売店とは違って、代理店は在庫を抱えるリスクはありません。しかし一方で、利益は、あくまで販売手数料という形でしか得ることができませんので、代理店の取り分は少なくなります。すなわち、販売店契約と代理店契約は、似ているようで、明確に異なる別々の契約です。どういう契約が販売店契約または代理店契約にあたるかは、その契約の内容によって決定されます。タイトルが「販売店契約書」や「代理店契約書」だったからといって、必ずしもそのとおりになるとは限りませんので、タイトルに騙されないようにしてください。これから結ぼうとしている契約が何なのかは、内容を精査しないとわからないのです。
２．販売店契約と代理店契約の有利、不利
では、販売店と代理店では、契約上、どちらが有利なのでしょうか？
実際、販売店と代理店のどちらが有利なのかは、契約条件や立場によって異なります。ですから、一概に、どちらが有利だとか不利だとか断定はできません。また、販売店契約や代理店契約には、検討すべき点がいろいろとあります。例えば、契約の内容が独占的なのか非独占的なのか、競合品の取扱はどうなっているのか、あるいは、商標の使用は許諾されているか、など、極めて多岐にわたります。これらの事項を詳細に契約書に記載するには、独占禁止法や商標法など、高度な法的知識が要求されます。
３．販売店契約や代理店契約で重要なこと
販売店や代理店に関する契約書は、長期間の契約期間が規定されていることが多い、という点が重要です。つまり、最初に不利な条件での契約を交わしてしまうと、長期間、その不利な条件に甘んじてしまわなくてはならなくなる危険性があります。そのため、どのような契約をするかは、契約書にサインする前に十分なチェックが必要です。
なお、弊事務所では、海外企業・国内企業との販売店契約や代理店契約の作成や相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
英文契約書作成・翻訳のお問い合わせは・・・・・・
TEL：０６－６３７５－２３１３
フロンティア総合国際法務事務所 まで！
