1.英文合弁契約書とは

合弁契約は、会社を共同設立して事業を行う際に行う、株主となろうとする者の間で、出資比率や成立後の会社の運営に関して、様々な取り決めをする場合の契約です。

ここで合弁とは、一般に会社を共同設立して事業を行う形態ですから、株主間契約の内容の主たるものとしては、他方当事者の承認なしに株式譲渡ができない旨を定める同意条項や、取締役選任に関して当事者間の合意に従って議決権を行使する旨を定める議決権拘束条項、その他、先買権条項や売渡強制条項などがあります。

2.英文合弁契約・交渉の流れ

合弁交渉の過程は、守秘契約、レターオブインテント(交渉過程の合意事項を都度確認する)、その上で、合弁会社の設立が合意されれば、合弁契約書の締結へ進む流れです。

3.英文合弁契約書の内容

合弁契約書の契約内容は多岐に渡ります。当事者、用語の定義、合弁の目的、前提事項、会社の設立時期・本店所在地、資本金、増資手続き、株主総会決議事項、議決権行使に関する合意、取締役および取締役会(派遣元、選任方法、権限、決議要件など)、配当政策、借入金に対する株主の保証、会計方針、事業運営全般(調達、製造、販売、研究開発等)、株式の譲渡制限、競業菱義務、守秘義務、デッドロックの場合の処理方法、準拠法等をその内容として定めます。

海外拠点設立の場合には100%出資現地法人設立による進出が最も多いケースですが、現地法制による外資出資規制や、現地企業のノウハウや営業ネットワークが必要である場合には合弁会社設立や現地企業への出資による業務提携といった選択肢も考えられます。合弁会社は出資者による共同経営ですから、経営主導権をどちらか有するか、ファイナンスを含む権利と義務等について十分な交渉と契約条項の策定が肝要となります。一方で、安易に合弁会社設立を約束したり、十分な交渉前に出資比率を決めた結果、経営がうまく行かなくなるケースがあとを絶ちません。

そのため、合弁契約をする前に専門家とよく相談し、その上で合弁契約を締結するようにしてください。

なお、中国企業と合弁契約をする場合、中国では英文合弁契約書は有効となりませんので、合弁契約書は中国語で作成する必要がありますので、注意が必要です。

 

当事務所では英文合弁契約書の作成・翻訳を承っておりますので、英文合弁契約書の作成や翻訳でお困りの際は、お気軽にご相談ください。

 

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